人工流れ星に挑戦する人工衛星初号機、軌道降下ミッション開始

2020.02.18 (Tue)

「科学を社会につなぎ 宇宙を文化圏にする」をミッションに掲げる株式会社ALE(東京都港区、代表取締役社長/CEO:岡島礼奈、以下ALE)は、2019118日に打上げた人工衛星初号機(以下、初号機)が軌道降下ミッションを開始したことをお知らせします。

ALEが国立大学法人東北大学(以下、東北大学)と共同で研究開発を行った、人工流れ星の実現に挑戦する人工衛星初号機が、JAXA革新的衛星技術実証1号機を構成する他の6機の衛星とともにイプシロンロケット4号機によって2019118日に打上げられ、高度約500kmの軌道に投入されました。人工流れ星の放出運用高度は約400kmで計画されており、約100kmの軌道降下を実施する必要があります。その方法として初号機は、株式会社中島田鉄工所と東北大学が共同で研究開発した膜展開式軌道離脱装置DOM®:De-Orbit Mechanism*1 / 以下、DOM®)を宇宙空間で展開し、微小な大気抵抗を利用して少しずつ高度を下げます。1年間程度(*2)で高度400kmに到達し、技術検証を行った後、初号機は人工流れ星の放出運用を開始する予定です。

■初号機の軌道降下開始スケジュール変更について
打上げ当初は20193月頃までに降下を開始する予定でしたが、打上げ後の初期試験に想定よりも時間を要したため、また、人工衛星2号機(以下、2号機)の運用制御に反映するための詳細な軌道上データの集積や技術検証の蓄積を優先することにしたため、軌道降下開始時期を延期しておりました。

初期試験および2号機に反映するためのデータ集積や技術検証を完了したことを踏まえ、20191225日にDOM®の膜を展開し、軌道降下を開始しました。その後の約1カ月の軌道推移の観測結果から、衛星の軌道降下速度が加速したことが確認されております。

*1 DOM®は株式会社中島田鉄工所(福岡県八女郡)の登録商標です。
*2 期間は太陽活動の状況によって大きく変わる可能性があります。

■画像1/初号機に搭載されたDOM®の膜(展開後)【提供:東北大学】初号機に搭載されたDOMRの膜(展開後).png

■画像2/2号機が撮影した日本(関東近郊)2号機が撮影した日本(関東近郊).bmp


【株式会社中島田鉄工所について】
*公式WEBサイト
http://www.nakashimada.co.jp
*本件に関する中島田鉄工所のプレスリリース
http://www.nakashimada.co.jp/news/press2020001.html


【国立大学法人東北大学について】
東北大学大学院工学研究科桒原研究室とALEは、人工衛星初号機および2号機を共同で開発しました。また、東北大学の豊富な知見を活用しながら、人工衛星打上げ後の運用も東北大学内にて共同で実施しています。

*公式WEBサイト
https://www.tohoku.ac.jp/japanese

*本件に関する東北大学のプレスリリース
https://www.eng.tohoku.ac.jp/news/news1/detail-,-id,1527.html

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